先生とわたし
「…祐チャンが許してくれるのであれば、付き合い直したい。」
そう私が言うと、祐チャンは立ち上がって、自分の荷物から何かを取り出した。
「はい。付き合うんなら、また付けてくれるよね?」
手渡されたのは、別れるときに返したネックレスだった。
「うん♪」
嬉しさのあまり抱き付いた。
「次の総体が終わったら、ちゃんと矢島先生と話そう。」
「でも…。」
話したら、色々と危なくなっちゃいそう…。
「大丈夫。もう絶対に千華を手放さないから。」
「祐チャン…。」
祐チャンもこう言ってるし、美咲サンも助けてくれる。
せっかく祐チャンが許してくれたんだから、無駄にはしたくない。
「ほら。もう寝よ。」
祐チャンと話してたから、気にはしてないつもりでいたけど、隣の部屋からは琴音の声がだだ漏れ。
何をしてるのか想像つくのに、祐チャンはどうも思わないのかな?
それなら、琴音の声に反応してる私がエロいだけじゃん。
「もしかして、隣の部屋が気になるのか?」
コクッ。
「明花チャンとお義母さんからは許可出てるから、あとは千華次第。俺はどっちでもいいから。」
お姉ちゃんとお母さん、認めてくれたんだ。
てことは本当に、私次第なんだ…。
「…いいよ。」
琴音から貰った御守りを、祐チャンの前に出した。
「…分かった。」
そう言って、祐チャンは電気を消した。
泊まりの旅行って事だから、やる覚悟はできていた。
でも、いざとなったら、少しだけ怖くなった。
「大丈夫か?」
コクッ。
でも何だろ。
ここでしなかったら、矢島先生に負けるような気がする。
だから、もう全てを祐チャンに託そう。
………
……
…