先生とわたし
「…どこ行くの?」
レストランを出て、てっきりエレベーターに乗るのかと思ったら、祐チャンは非常階段の扉を開けた。
「姉貴からメール来て、それに従っているから俺にも分からないけど、15階まで降りるらしい。」
ここは17階だから、エレベーターで降りるよりも早いのかも。
「1501だって。」
「うん。…ここだね。」
配置図を見ると、15階は5部屋しかないらしい。
「先にどーぞ。」
「失礼します…。わぁ~✨」
恐る恐る室内に入ると、すぐのテーブルの上に、カラフルな袋が上がっていた。
「凄いな…。一つずつ開けてみたら?」
「うん♪」
琴音と舞チャンたちからは、アロマポットと私が好きな香りのアロマオイル。
お母さんとお父さんからは、気になっていたケイトスペードのバッグ。
お姉ちゃんとあっくんからは、メイク用品。
…祐チャンからのがない。
「千華。」
「うん?」
「はい。」
祐チャンが、紙袋を渡してきた。
手渡しで渡すために、一緒に置いておかなかった訳ね。
「ありがと♡…開けてもいい?」
「どーぞ。」
中には長方形の箱が入っていて、ケイトスペードのロゴが入っていた。
「お財布だ~♪祐チャン、ありがと!!」
バッグと同じブランドだから、使いやすい。