先生とわたし
遠征(と言う名の旅行) 1日目
夏休みに入って間もなく、試合と他校との交流を兼ねて、東京へ遠征に行く事になった。
その日程の間に、偶然なのか祐チャンの誕生日がある。
「どうしよ…。」
みんなと一緒に居るとなると、二人っきりで祝う事が出来ない。
だからといって、別の日にするっていうのも、せっかく一緒に居るんだからちゃんと祝いたい。
うーん…。
「ね、千華ってば!!話し聞いてる?」
「へっ?何か話してた?」
「んっも~。遠征のスケジュールの最終確認してるんだよ!!」
そう琴音に言われて顔を上げると、祐チャンと智クンは呆れ顔。
陽奈チャンと夏美チャンも困った様子。
それを見て、やっと事前のミーティングをしていた事を思い出した。
「ごめんなさい…。」
「東京に12時前までに着くように行きたいから、遅くとも6時には出発できるように集合させて。」
祐チャンは、何事も無かったみたいに、ミーティングを続けてくれた。