全てを捨てて
「前川さんっ」
テストが終わって
帰る準備をしていたら
私と同じぐらい成績トップで
同じクラスの辻さんが話しかけてきた。
なぜだか
辻さんは私のことを
勝手にライバルだと思ってる。
私はそんなのどうでもいいのに。
「はい?」
「あなた、今回のテストだいぶ余裕みたいね。堂々と遅刻までして。」
は?
余裕じゃないんだけど。
「別に?余裕じゃないよ」
「ふんっ。まあ今回は私があなたに勝つから。」
そう言って
辻さんは自分の席へ戻って行った。