星が流れる空
私は隆司を見つめた。
隆司も私を見つめた。
時間が私と隆司の距離で止まる気がした。
隆司は視線を私から下にうつして…
小さな声で言った。
「俺、もっと伊藤さんのこと知りたい。」
私のこともっと知りたい……?
「私のこと?」
前、隆司が付き合うならその人のことよく知ってから。ちゃんと好きになってから。って言ってたことを思い出した。
これってもしかして脈ありかな?
「だめかな?」
だめなわけないよ。
隆司がなんだか可愛くみえた。
「だめじゃない。栗原くんに私のこともっと知ってほしい。私も栗原くんのこといろいろもっともっと…知りたい。」
私も隆司のこともっと知りたいって。純粋にそう思ったの。
「ありがとう…。」
「私こそありがとう。」
私と隆司はそのまま廊下に座り込んで
日が暮れるまでお互いのこといっぱい話したんだ。
好きなもの 嫌いなもの。家族構成とか将来の夢とか。
私はこの日
すごく隆司に近づけた気がしたよ。