星が流れる空





隆司が亡くなった。








亡くなった…?









亡くなった。って…






「先生!それ、どおいうことですか!?」





誰かが混乱したように先生に聞き返す。





みんな混乱してるみたい。







「先生も…詳しいことはよく聞いてないんです。最初は欠席の連絡もきていたのに…受験前になっていきなり連絡がつかなくなって…。でも昨日の合否発表の後、隆司くんのお母さんから連絡がきて……」





みんな先生の言葉を
ひとつひとつただ聞くだけ。




「15日に亡くなったそうです…。」





先生は言い終わると
泣き始めた。





それをみて泣き出す人もいた。





私はわからない。




何で涙がでるの?



泣いてるあの子は
隆司と仲がよかったの?


隆司と話したことがないような子まで涙を流してる。


隆司の何を思って泣いてるの?




その涙は同情なのか
つられて泣いてるのか
その場の雰囲気なのか
悲しみなのか淋しさなのか


私はひねくれた考えしかできない。





わからないよ。隆司。





詳しいことはわからないなんて…。













せっかくみんな受験に受かって喜ばしいはずなのに、




教室はみんなの嗚咽だけが響いた。
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