星が流れる空






「あみーっ?」




瑞穂に名前を呼ばれて
私はぼーっとしてたことに気付く。





「どうしたの?立ち止まって。はやくクラス見に行こっ!」




「うん、ごめん。」





新しい制服につつまれた人達。クラス発表の掲示板にはたくさん人が集まっていた。





「うわーっ人がいっぱいでよく見えないよ。」







精一杯背伸びして名前をさがす瑞穂を横に私はやっぱり思い出してしまう。






もし隆司が生きていたら
今頃一緒にこの掲示板を見ていたのかな。







一緒に春の桜を見れたのかな。







「あ、あった!残念…違うクラスだ。」





こうやってクラス発表を笑いながら見れたのかな。






「亜美は1年1組!私は5組だよー。けっこう遠いね」




「ほんとだ、でも仲良くしようね。」






「うん、じゃあまた後で!」




ざわつく校内で
瑞穂の背中を見送って









私は1組の教室に歩きだした。




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