千寿桜―宗久シリーズ2―
その動作がよほどおかしかったのか、女性は小さく吹き出した。
笑みで緩む口元を指で抑え、改めてと女性は頭を下げる。
「お客様とは知らずにご挨拶が遅れまして、大変失礼致しました。お初にお目にかかります。惣一の姉の瑞江でございます。新庄様」
瑞江と名乗った女性は、見とれる程の綺麗なお辞儀を見せた。
まるで、百合の花の様だ。
「はぁ……ご丁寧に、ありがとうございます」
だがなぜ、僕の名前を知っているのだろう。
眉をひそめる僕。
表情から心境を察したのか、瑞江さんは美貌に薄い笑みを乗せる。
「弟と両親から、お名前は伺っておりましたの」
「はぁ……」
そうでしたか。
「不思議な方ですわね、新庄様って」
誉められてるのかな?
瑞江さんの感想に、なぜか慌てる工藤。
「失礼だろっ、姉さん!」
いや、別にいいよ。
「…ありがとうございます。よく言われます」
相変わらず間の抜けた返答しか出来ない僕を、瑞江さんは声を立て笑った。
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笑みで緩む口元を指で抑え、改めてと女性は頭を下げる。
「お客様とは知らずにご挨拶が遅れまして、大変失礼致しました。お初にお目にかかります。惣一の姉の瑞江でございます。新庄様」
瑞江と名乗った女性は、見とれる程の綺麗なお辞儀を見せた。
まるで、百合の花の様だ。
「はぁ……ご丁寧に、ありがとうございます」
だがなぜ、僕の名前を知っているのだろう。
眉をひそめる僕。
表情から心境を察したのか、瑞江さんは美貌に薄い笑みを乗せる。
「弟と両親から、お名前は伺っておりましたの」
「はぁ……」
そうでしたか。
「不思議な方ですわね、新庄様って」
誉められてるのかな?
瑞江さんの感想に、なぜか慌てる工藤。
「失礼だろっ、姉さん!」
いや、別にいいよ。
「…ありがとうございます。よく言われます」
相変わらず間の抜けた返答しか出来ない僕を、瑞江さんは声を立て笑った。
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