千寿桜―宗久シリーズ2―
血が繋がっているのか?と聞きたくなる程、似ていない。









工藤は、どちらか言えば体育会系。


がっちりとした体型に、愛嬌のある丸顔。




並ぶと、僕の貧弱さが引き立つくらいだ。







対して姉の瑞江さんは、大和撫子。


美貌もさる事ながら、それを更に強調するたおやかな品格。



上品な和服美人と言える。








これ程にも似ていない家族があるのか?







遺伝子の神秘だ。






別に責めるつもりは無い。



工藤は工藤で、良い個性があるのだから。







だが、姉?



姉と紹介を受けるには、あまりにも………。









「似ていないにも程がある」


となる。











「子供の頃から言われ続けてきたなぁ、その言葉」

「似ていないものは、似ていない」






何となく口元が…目元が…と言える許容すら超越しているのだから。



嘘はつけない。







座椅子に腰掛けている工藤は、苦笑いしながらお茶をすする。





「似ていないのも逆に面白いだろ?」

「まぁ、多少」




面白いが。
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