千寿桜―宗久シリーズ2―
「さて…工藤くん、説明してくれないかな?」




部屋に戻った僕は、ほろ酔い加減も手伝い、工藤を問い詰めた。







座布団の上、あぐらをかいて腕を組む僕。

その向かいに正座をし、バツが悪そうに大きな身体を丸め、苦笑する工藤。



周りから見れば、さぞ滑稽だろう。








「お前の、その変に冷静な所が怖い」

「騒ぎ立てれば解決するのか?僕は合理主義だからね。それに……」

「それに?」




身を乗り出す工藤。


僕は、脅しの意味も兼ねて軽く口元だけで笑いを返す。




「僕の預かり知らぬ所で、勝手に事が進められている事に納得いかないね」





工藤は笑った。


引き攣った表情で。









酔い醒ましにお茶をと、ぎこちない不自然すぎる動作で急須に手を伸ばしている。






慌てているな。



分かりやすい奴。










「しかし、宗久は本当に酒が強いなぁ?父さんが先にダウンした所なんて初めて見たよ」

「まぁ……強くならざるを得ない環境だったから」







実家で父と二人で飲むと、時間が経つ程に人数が増えていく。


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