千寿桜―宗久シリーズ2―
だからこそすっきりしない。






そして、夢の中のあの女性は……誰?







待っていたと言っていた。


ここへ来い、と。


思い出せ、と。








…………何を?









僕も関わっているのか?




忘れている何かが、僕の記憶に宿っているのだろうか。



あの女性との繋がりが……。







いや、瑞江さんとも繋がっているのかもしれない。







彼女を見た時、郷愁を感じた。


何かを思い出しそうな、懐かしい感覚を。




桜は、それを知っている筈だ。








千寿桜に聞こうか。







簡単に、易々と応えてくれる桜では無いだろうが。




一目見ればわかる。








それでも、知る事が僕の導かれた意味ならば、避けては通れない。



逆らってはいけない。









明日、また桜に会いに行ってみよう。








次々と湧き出る疑問に心を騒がせながら、僕はそれらを明日に引き延ばす事にした。









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