千寿桜―宗久シリーズ2―
のんびりしたイメージだと言われる僕には空手は以外なのだろうが、まぁ、空手のおかげで贅肉が無いのは事実。



それに、工藤の様な野球等の団体競技だと、逆に僕のマイペースさが欠点になってしまうに違いないから、個人競技である空手は合っていたのかもしれない。







空手をやっていると言う僕に刺激された工藤父。


軽く竹刀を振りながら笑う。






「どうだ、新庄くん。わしの竹刀を受け止められるか?」





真剣白刃取り?


極端に無謀な要求だな。




「それは…ちょっと…」




苦笑しながら首を振る。


空手はそういう武道では無いし、逆に脳天をかち割られそう。



こんな春日和の日に、朝から星を見るのは遠慮したい。








剣道も出来ない訳じゃ無い。




父が剣道の段持ちであるから、かじる程度ならばわかる。



だが、今それを告白したならば、手合わせ等言われそうだから沈黙を決意。



自信も無いし。








背中を丸め、太股の上に両肘を立てた。


そのまま頬杖をつき、目を閉じてみる。







.
< 59 / 167 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop