千寿桜―宗久シリーズ2―
真実 2
「ふふふ…」
「……何だ」
自室にて、書物の整理をしている俺の隣では、源三郎が笑っている。
いや、正解にはここ七日間、源三郎はずっと笑っている。
言いたい事は分かるのだ。
だが、あえて聞かない。
聞きたくない。
からかいだと分かるからだ。
「千寿姫、お美しい方でようございました」
ほらきた。
「男冥利ではありませんか。側室に期待等は、遠く彼方に飛び立ちましたかな?」
始まった。
「何が男冥利だ。あの様な可愛いげの無い女」
気の無い俺の返答にも、源三郎は動じない。
源三郎にとっては、俺をからかうのも楽しみの一つに違いない。
そう思わずにはいられない。
確かに、千寿は美しい姫だ。
それは認めよう。
だが、態度が気に入らない。
父上から紹介を承り、千寿とはそつなく挨拶を交わした。
形式としては、何も違和感無く。
問題はその後だ。
.
「……何だ」
自室にて、書物の整理をしている俺の隣では、源三郎が笑っている。
いや、正解にはここ七日間、源三郎はずっと笑っている。
言いたい事は分かるのだ。
だが、あえて聞かない。
聞きたくない。
からかいだと分かるからだ。
「千寿姫、お美しい方でようございました」
ほらきた。
「男冥利ではありませんか。側室に期待等は、遠く彼方に飛び立ちましたかな?」
始まった。
「何が男冥利だ。あの様な可愛いげの無い女」
気の無い俺の返答にも、源三郎は動じない。
源三郎にとっては、俺をからかうのも楽しみの一つに違いない。
そう思わずにはいられない。
確かに、千寿は美しい姫だ。
それは認めよう。
だが、態度が気に入らない。
父上から紹介を承り、千寿とはそつなく挨拶を交わした。
形式としては、何も違和感無く。
問題はその後だ。
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