スピリット・オヴ・サマー
「でも、でも、」
 「少女」に促されながら、憲治はよたよたと立ち上がった。そして「少女」に肩を抱かれながら第2音楽室を出ようとした。が、すぐに振り返って、「聖菜」の許へ走ろうとした。
「…ま、待ってくれ!『聖菜』を、『聖菜』を一人には…、」
「ばがたれっ、まだ分がんねなだがァッ!」
 「少女」は憲治の腕を、がっ、とつかむと、強引に廊下に連れ出した。
「『聖菜』っ、俺は『聖菜』を殺したっ…!」
 錯乱する憲治。
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