スピリット・オヴ・サマー
「なっ、」
 いくぶんカチンときた憲治は(図星でもあり、一番気にしている部分だっただけに)、「少女」の目前に、ずいっ、と立ちはだかると、真顔で「少女」を見据えた。
「あのね、あんたねぇ、もっと口の利き方があるだろ?俺は、仮にも先輩に当たるわけだからさぁ。」
「先輩ぃ?」
 「少女」はけたけたと笑い始めた。
「先輩、あはははっ!んだが、先輩だがぁ。」
 あからさまな侮蔑の笑いだった。
< 32 / 422 >

この作品をシェア

pagetop