スピリット・オヴ・サマー
校舎をはさんで向こう側では、昨夜の火災現場で検証が続いている。この近辺の悪ガキどもが、煙草の火の始末をしなかったのが原因であるらしい。死者、怪我人は出ていない、との発表はすでに出されていた。
再び、憲治の脳裏に浮かぶ憧子のイメージ。炎の中でうづくまる。
「…憧子…、」
もう一度零れた言葉の後を追って、正午を知らせるサイレンが鳴った。
ふうと一息ついて、フェンスを突き放す。焼けたコンクリートを脚の下で鳴らし、テントの下に戻るとメガホンをとって午前の部の終了を告げる。
再び、憲治の脳裏に浮かぶ憧子のイメージ。炎の中でうづくまる。
「…憧子…、」
もう一度零れた言葉の後を追って、正午を知らせるサイレンが鳴った。
ふうと一息ついて、フェンスを突き放す。焼けたコンクリートを脚の下で鳴らし、テントの下に戻るとメガホンをとって午前の部の終了を告げる。