スピリット・オヴ・サマー
憲治にとってその先を聞くことは、言い知れない恐怖を伴った。だが、聞かなければならないこと、でもあった。聞いて、明らかにしなくては、己の罪の償い様が無いことをすら気づかずに生きてしまう。
今日ここで出会った聖菜が『本物』でないとすれば、彼女の赦しの言葉も、自分の懺悔の言葉も、まして償いのくちづけですら虚しいものになってしまうのだ。今の憲治には、そのことも尚更に恐ろしかった。
「…聖菜は、おらみだいな『モノ』どの接触に耐えられる生命力はねがった。おらと会った後、おらの感知出来る範囲外の場所で、倒れでしまった。ああ、おらぁ、今日、聖菜の姿見で、オガシイど思ったんだ。生きだ人間のニオイがしねえ。しかも、『風』のままのおらの姿が見えでる。」
今日ここで出会った聖菜が『本物』でないとすれば、彼女の赦しの言葉も、自分の懺悔の言葉も、まして償いのくちづけですら虚しいものになってしまうのだ。今の憲治には、そのことも尚更に恐ろしかった。
「…聖菜は、おらみだいな『モノ』どの接触に耐えられる生命力はねがった。おらと会った後、おらの感知出来る範囲外の場所で、倒れでしまった。ああ、おらぁ、今日、聖菜の姿見で、オガシイど思ったんだ。生きだ人間のニオイがしねえ。しかも、『風』のままのおらの姿が見えでる。」