スピリット・オヴ・サマー
「ご、ごめん、うん、解かってる、もう子供じゃないもんなっ、なっ?」
 すると「少女」は、ぱっと両手を開けて
「…ウソ泣きだよーん」と言うと、にぱっと笑った。
「…何だよ、まったく。難しいことばかり言うかと思えば、これだもんなぁ。」
 あきれ顔にため息を添える憲治の情けない笑顔に向かって、「少女」は、負けじとまたあきれ顔で言った。
「難しいのはあんだが自然の摂理に反して生きでるからだァ。自然と接していれば、物事の『本当』など、自ずと解かるもんだべェ。まぁ、今の現代人は皆解かってねえんだどもなァ…。」
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