だるま


そういうわけで今がある。

私は逃げて、男は追いかけてくる。

よくもまあそんなに生命力が残っていたねと感心しちゃうくらい、斜めに傾いた上半身を微動だにさせずに、男は走り続けている。


とりかく警察、警察に助けてもらおう。

駅の近くなら交番があるはず。

駅、駅はどっちだろう。

走れば走るほど田んぼしかない。

どう転んでも観念するしかない状況だ。


やるかやられるか、
ふたつにひとつだ。


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