森林浴―或る弟の手記―




修介もそのつもりらしく、勉強に励んでいましたし、何より優秀な少年でした。


これなら安心して会社を任せることが出来る。


私は修介の成績表を見る度にそう思っておりました。


私と幸乃の間に息子はなく、幸乃もそれに賛成していましたし、多くの従業員たちも納得しているようでした。


そのことを佐保里姉さんに告げると、佐保里姉さんも嬉しそうに笑いました。


紫野家には再び幸せで穏やかな時間が戻ってきたのです。


これといったこともなく、緩やかな時間が流れていました。


私は仕事も頑張り、極力家族との時間も作り、本当に幸せだと思える時間でした。





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