森林浴―或る弟の手記―
修介が実に神妙な顔で帰宅しました。
修介のそんな顔を見るのは初めてで、さすがの私も戸惑いました。
佐保里姉さんも同じようで、私たちは顔を見合せました。
修介が何かを言ってくるのを待つべきか。
それとも、私たちから訊いたほうがいいのか。
二十年以上修介と一緒に暮らしてはいましたが、この子についてこんなに考えるのは初めてでした。
修介はそれ程までに手のかからない子供だったのです。