森林浴―或る弟の手記―
学費も出してもらい、生活も面倒見てもらっている分際で申し訳ない、と修介は何度も謝りました。
私はそんなに思い詰めなくていい、と彼を宥めました。
それでも修介は顔を上げません。
私は相手はどのような女性か尋ねてみました。
そして、その答えにも驚きました。
相手は水商売をしている、九つ年上の女だということでした。
佐保里姉さんが長い間スナックに勤めていたのと、私自身、食べていくのに仕事を選んでいる余裕がないという暮らしをしていた頃もあった為、水商売に偏見はありませんでした。
九つ上というのも、咎める程のことでもありません。
でも、どちらも修介は更に申し訳なく感じているようでした。
私は端から修介を責めるつもりはありませんでした。