森林浴―或る弟の手記―
佐保里姉さんは着替えを済ませ、ベッドの上に座っていました。
そんな佐保里姉さんは今までに見たことがない程に穏やかな表情をしていました。
この日の姉は、全ていつもと違っていたのです。
「こちらへ来て」という佐保里姉さんの言葉に従い、私はベッドの脇に足を運びました。
天蓋付きのベッドは、確かヨーロッパから取り寄せたものだったと思います。
私はベッドの脇に置いてある椅子に腰を下ろしました。