森林浴―或る弟の手記―




私は修介に、どうしたいのかを尋ねました。


重要なのはそこですから。


修介が堕胎をさせたいというなら、資金も出すし、相手の説得にも向かうつもりでした。


もしくは、結婚したいというのなら、それも認めるつもりでいました。


修介の人生です。


修介の生きたいように生きて欲しいと思っていたからこそです。


すると、修介は彼女との結婚の意思を口にしました。


相手の女性は、幼い頃から親がいず、家族に憧れている、と言いました。


なので、自分が温かい家庭を作ってあげたいとも。


私はそれを聞いて、やはり修介は優しい子だと思いました。


私はゆっくりと、修介に顔を上げさせました。


ようやく顔を上げた修介の瞳にはたっぷりと涙が溜まっていました。



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