森林浴―或る弟の手記―
それから修介は鬱ぎ込んだ佐保里姉さんを必死に支えました。
毎日部屋に行き、話をし、食事を摂らせる。
その甲斐あってか、宗一郎の一歳の誕生日には、佐保里姉さんは部屋から出られるまでになりました。
佐保里姉さんも初孫である宗一郎の姿に涙しました。
そして、「しっかりしなくちゃね」と、宗一郎を抱き締めて言いました。
子供の存在というのは凄いものだと思いました。
宗一郎のお陰で、私たち家族は再び平穏を取り戻したのです。