森林浴―或る弟の手記―
あまり乾いていない状態から、私はこれを行った人間はまだ近くにいると思いました。
私は手にしていた花束を幸乃に預け、走り出しました。
墓場から駐車場は遠く、車で来ているにしてもまだ乗っていないと思いました。
だから、取り敢えず駐車場に向かって走りました。
そして、その姿を見付けました。
私はその姿にまた驚きました。
何年経とうが見間違えるわけがありません。
まさか、と思うと同時に、合点がいく、という感じがしました。
何故、というのも勿論ありました。