森林浴―或る弟の手記―
宗一郎は七歳の誕生日を迎えました。
小学校にも上がり、それも私学でした。
両親がいないことなど物ともせず、相も変わらず利発な子でした。
その年、正世もわが社の青年と結婚をしました。
正世は短大を卒業後、私の会社で事務として働いていたのです。
そして、五つ上の青年と恋愛の末、結ばれました。
私としては、この上なく嬉しいことでした。
佐保里姉さんも年老いてはきたものの、癌の再発もなく、元気にしていました。
そして、様々な報告も届いていました。