森林浴―或る弟の手記―
私はどうしたものかずっと悩んでいました。
謝罪を求める程度では足らない。
だが、金はこちらのほうが持っている。
償わせる術がないのです。
そんな矢先、また不幸が舞い込みました。
確かに、佐保里姉さんはこの時幸せだったとは言えたでしょう。
ですが、細やかな幸せです。
不幸が舞い込むような幸せではありません。
そしてそれは、私にとっても不幸な出来事でした。
もっと早くに手を打っておけばよかったのかもしれません。
ですが、それは悔やんでも遅いことでした。
一体、佐保里姉さんが何をしたというのでしょうか。