森林浴―或る弟の手記―
その日の午後、修介は外回りをしていました。
常に修介がそんなことをする必要はない、と言っていたのですが、修介は下の仕事もしたいといって聞きませんでした。
私は修介のそんな仕事熱心なところを買っていました。
ですが、夕方になっても修介は帰ってこないのです。
私はどうしたのか、と気になって仕方ありませんでした。
何度も時計を見ては時間を気にしました。
そして、一本の電話が届いたのです。
秘書は震える声で私に告げました。