森林浴―或る弟の手記―




ある日、私たち家族が全員出払ってるのを見計らい、香保里が訪れたそうです。


あれ程関わるなと言ったのに。


私はその話を聞いて、腸が煮えくり返りました。


そして、香保里は佐保里姉さんの耳元でこう囁いたらしいのです。


「貴女がいるから、皆が不幸になる。
私がこんなことをするのも、貴女が存在しているから。
貴女がいなければ、何の不幸も起こらない」


佐保里姉さんは香保里の言葉通り、自らの存在を疎み、命を絶った。



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