森林浴―或る弟の手記―
あんな、殺されて当然の女のせいで、可愛い宗一郎が殺人犯になるのは許せませんでした。
ですが、今の警察は優秀です。
轢き逃げ犯が宗一郎であるなど、直ぐにばれてしまうでしょう。
だから、私は事故にしようと考えたのです。
それなら、例え服役することになっても、大した年月にはならないはず。
会社は正世の夫に託せばいい。
私はそう考え、宗一郎にそれを告げました。
そして、宗一郎もそれを受け入れました。