森林浴―或る弟の手記―




あんな、殺されて当然の女のせいで、可愛い宗一郎が殺人犯になるのは許せませんでした。


ですが、今の警察は優秀です。


轢き逃げ犯が宗一郎であるなど、直ぐにばれてしまうでしょう。


だから、私は事故にしようと考えたのです。


それなら、例え服役することになっても、大した年月にはならないはず。


会社は正世の夫に託せばいい。


私はそう考え、宗一郎にそれを告げました。


そして、宗一郎もそれを受け入れました。



< 196 / 201 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop