森林浴―或る弟の手記―



私はいつか学校に行けなくなる。


減っていく家財を見ながらそんなふうに思っていました。


だから、出来る時にしておく。


私はそう考えていたのです。


それは遠くない将来、現実になったのですが、それはまだ少し先の話になります。


私は学校でも家でも比較的大人しい少年でした。


ですが、自己主張は確りと出来ましたし、引っ込み思案とまではいきませんでした。


級長を努めていた時期もあります。


それは全て、佐保里姉さんの影響だと思っています。


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