守るべき者〜月が与えた宿命〜
そこには…
まるで獣のような
僕よりもはるかに大きな
何かがそこにいた……。
『これは……
何なんだ……
村長は?村長はどこだ!
お前は一体
何者なんだ!』
そう叫ぶと
その【何か】は
のそっと動き、
僕の目の前に
姿を現した……。
部屋の天井に頭が付くほど
背丈があり、
毛むくじゃらで
目の玉は真っ赤で
まるで……
まるで化け物だ……
コイツは人間じゃない……
村で一番
大きな僕でさえ
コイツのヘソにも
届かない……。
戸惑いながらも
【化け物】に問いかけた。
『お前は…
お前は何者だ?
まず聞かせてもらおう
村長はどこだ?』