May - メイ -
***
三浦さんが転校してきてから、早一ヶ月。
席が隣、っていうのもあって、ときどき話すようになった。
「三浦、宿題やった?」
「え?…ぁ、うん」
「見せてもらってもいい?」
昨日、夜中までマンガを読んでいた俺は、宿題のことなんて完璧忘れていた。
「全然いいよ」
三浦はそう微笑み、ノートを差し出した。
「…あの、橘くん」
「んー?」
「あたし、今日日直なんだけど…日誌の書き方がわからなくて……」
そう言って俯いた。
「いいよ、教えてあげる」