May - メイ -
放課後、みんなが下校する中、俺と三浦は教室で日誌とにらめっこしていた。
「そこにはね、………」
俺が言った通りに書き記していく彼女。
…字、綺麗だな。
「橘くん、ありがとう」
「全然全然!」
外を見ると、空はオレンジ色に染まっていた。
「もうこんな時間…ごめんね」
「ホントに気にしないでっ」
「……ありがとう」
三浦は優しく微笑んだ。
……このときから、もうすでに
俺は君に恋をしていたのだろうか。