ちょこれーと。




「何でそんな急いでんだよ。
 ホント面白いわ、くくっ。」


手で口を隠すようにして笑っていた。


その姿にまたキュンとした。



私って重症だな...


「誰も迷惑なんて言ってないだろー?
 寧ろ感心してたんだよ。」

笑いがおさまったのか

先生は椅子から立ち上がった。


「か、感心…?私に…?」


私の言葉に先生が頷いた。



「頼まれた仕事も
 放課後残ってしてて、
 教室の整頓もしてくれてただろ?」


み、見てたんだ....



誰にも見られていないと

思っていた私は

急に恥ずかしくなった。



「み、見てるなら…言ってください。」


フイッと先生から目線を外した。




「それは悪かった。
 でも、ありがとな?」


その言葉に反応して

先生に視線を戻した。


するとニコッと笑ってくれた。



私も照れながらだけど、

小さく笑った。










「お前さ、笑ってろよ。」

いきなり先生が言った。




「そっちの方が可愛いぞぉ?」




















言葉の意味を理解するのに

5秒くらいかかった。


理解したときには

私の顔は真っ赤になっていた。




「わ、私っ…!
 さっ…さようならっ!」

逃げるように図書室を飛び出した。





夕陽が照らす道を走った。



顔が熱い。

胸が苦しい。




深い意味はないのに、

それでも……。












家に着いた私は

階段を駆け上がって

ベットにダイブした。



手を顔にやると

ものすごい熱い。











あの顔であの言葉は反則だよぉ...



それからジタバタしていた。














私は幸せだ。

改めてそう感じた。



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