アナログ三姉妹
「れいちゃん」
「あ、お姉ちゃん。何処行ってたのよ?」
口を尖らせる妹。
「色々と挨拶回り。なに怒ってるの?」
「だって心細いんだもん」
「れいちゃんには、もう素敵な旦那様がいるのよ?」
「んー、でもお姉ちゃんがいいのー」
「なに甘えてんのよ」
「なんだか寂しい…」
俯いてしまった花嫁。
「泣いちゃダメよ。せっかく綺麗なんだから」
「でも…」
「大丈夫よ。いつでもお姉ちゃんがいるから。れいちゃんが寂しい時、困った時、お姉ちゃん、すぐ駆けつける。お姉ちゃんが、れいちゃん守ってあげるから」
鏡の前に座る妹の肩を優しく叩く。
「だから安心して行っておいで」
「…うん」
「それに、お姉ちゃんだけじゃないでしょ?」
「そうだね」
「真っ先に駆けつける人がいるはずよ」