アナログ三姉妹


「お兄ちゃん何処行ったの?」


一瞬、不安が影をさすが、


「挨拶回りよ」


笑顔で安心させ、


兄を捜索することに。


まず向かったのはトイレ。


「そこに居るんでしょ‼」


個室の扉に蹴りをかます。


「ちょっとお腹の調子が…」


「ウソばっかり‼れいちゃんが寂しがってるわよ‼」


「いやだから、お腹の具合がだなぁ」


「もう始まるんだから観念して出てきなさいよ‼」


「あと五分‼」


「ダメ‼」


「三分‼」


「却下‼」


「一分‼」


「諦めろ‼」


「30秒‼」


「お兄ちゃんでしょ‼」


「…」


「私たちの、お兄ちゃんでしょ‼」




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