アナログ三姉妹
「やっぱり大晦日は紅白よねぇ」
「そうだなぁ」
2011年最後の日。
兄妹がオコタでミカンを頬張りながら話し合う議題とは…。
「お兄ちゃん、そのパーカー、いい加減、捨てたら?」
「着心地いいんだよ」
「それ何色?褪せすぎてるし」
ひかりは、小馬鹿にして笑うが、
「そのゴムが伸び切ったジャージには言われたくない」
「これが一番、履き心地がいいの」
「だから太るんだな」
マサが牙をむく。
かなり鋭い牙を。
「それ、本気で言ってるのかしら?」
「え?いや、あの…」
「お節、三段とも黒豆にするけどいいのかしら?」
ひかりの牙は強かった。
「…すみませんでした」
「分かればいいのよ」