アナログ三姉妹
「ちょ、離婚てなんだよ…」
オロオロと狼狽える兄。
そりゃ確かに、
確かに思ったさ。
喧嘩の一つでもして、れいが泣きついてくるのを。
けどもだなぁ。
離婚までは望んじゃいない。
第一、岸山君はいいヤツだし…。
「私、絶対に離婚するんだから‼」
「お前、結婚したばかりじゃないか」
「それがなによ‼」
「なにって…」
「お兄ちゃんには分からないんだから‼」
キッと睨まれ、
思わずひかりに助けを求めるが、
「れいちゃん、昆布茶でいいでしょ?」
「お前、なにを呑気に」
「とりあえず冷えた体を温めないとね」
はい、
と、オコタに湯呑を置いた。
妹専用の湯呑を。