アナログ三姉妹
え?と二人の妹が固まっている。
「兄ちゃん、転勤やめた」
「でも…」
「お前の為とかじゃないから心配するな」
「お兄ちゃん、寂しいんでしょー」
れいが肘で突ついてくる。
「そんなんじゃないのー。外国は水が合わない」
「腸が弱いもんねー」
「デリケートって言ってくれ」
今度は突いて返してやった。
そんな二人に背を向け、
肩を震わせるひかり。
「…芋、美味しい」
涙が混じった声が聞こえる。
また泣いてんのか?
芋を食い終わった俺は姐さんを見上げた。
が、
どうやら悲しくて泣いてるわけではなさそうだ。
ハッピーエンドってやつか?
ったく、
世話が焼けるぜー。