アナログ三姉妹
三姉妹の朝は慌ただしい。
これが現実というもの。
「ただいまー」
コンビニから帰ってきたのは、次女ひかり。
「お姉ちゃん居ないから朝から大変なんだからー」
「ごめんごめん。でも疲れたわ」
「無事に完了した?」
妹を気遣うのは、長男のまさと。
「うん。120円もかかったけど」
「…11回も失敗したの?」
「だって‼ややこしいんだもの‼A4で次がB5って不自然じゃない?A4A5A6でいいじゃない‼」
「コピーもできないなんてねー」
あざ笑うのは末っ子れい。
「じゃ、れいちゃん一回でできるわけ?チャンスは一回よ‼10円しか渡さないから今から行ってきて‼」
「一回はちょっと…三回はダメ?」
「ダメよ‼人生一発勝負なんだから‼」
胸を張って言い切る。
12回も勝負したのはお前だろ。
心の中でツッコミを入れる、まさでした。