アナログ三姉妹
「うそ‼お姉ちゃん撮れるの‼」
羨望の眼差しを向ける妹。
「任せておいて」
「ひかり、お前…」
いつの間にやら大きくなった妹の逞しい姿に目が潤む。
お兄ちゃんを許してくれ。
ビデオ録画すらできない、情けないお兄ちゃんを。
「九時からのドラマなんだ」
「わかった、九時からね」
「本当に大丈夫か?」
「大丈夫大丈夫」
軽すぎるのですけれど?
「本当に本当に大丈夫か?」
「任せといてよ。しっかり観るから」
「え?」
「わたしの心に録画するわ」
「…」
「…」
「そうして内容を説明してあげる」
そう微笑む、ちょいと天然な妹に、
笑い返すしかない長男でした。