アナログ三姉妹
「それより早くしないと遅刻するわよ」
「んーっ‼」
「れい、なに真っ赤な顔して気張ってるんだよ」
「入れないの‼」
「何処に?」
「サイトに‼」
携帯を握りしめる手が、
プルプルと震えている。
「強く押したからって入れるものじゃないでしょ?」
呆れ顔のひかり。
「気持ちは分からんでもないがな」
訳知り顔のまさ。
「もう入れない‼」
れいは、とうとう腕を振り上げた‼
豪速球で壁に叩きつけられる寸前で、
「こらバカ‼」
なんとか携帯を奪い取った兄姉。
こうして、
いつもの朝を迎えたのだった…。