アナログ三姉妹
「そういえば戸棚の奥に…」
立ち上がったひかりが戻ってくると、
その手にロウソクが。
ゆらゆら揺れる炎。
テーブルの中央で互いの顔が見え、ホッと息を吐き出す三人。
「ちょっと寒いな」
長男は各部屋から毛布を、
その間に、妹たちが淹れてくれたホットココアが完成。
毛布にくるまって、啜るのでありました。
「なんだか雪山に居るみたい」
れいがクスリと笑う。
「けど静かよね」
ひかりが辺りを見回す。
「たまにはいいもんだな」
まさはニッコリとココアを飲む。
三人が互いの顔を見合わせる。
明るければ照れるところだが、なぜだか、暗がりのほうが、お互いの顔がよく見える。
こうやって肩を突き合わせて話をすることも、普段ならない。
三人プラスTVだから。