アナログ三姉妹
「ん?」
まさは、ひかりを見た。
ぼんやりと浮かび上がる上の妹が続ける。
「私たちが大学を出れたのも、お兄ちゃんが一生懸命働いてくれたから」
「ひかり…」
「そうだね。お兄ちゃんのお陰だ」
「れい…」
まさは思った。
暗くて良かったと。
泣いたらカッコ悪いじゃないか。
「ひかりもありがとう」
「え?」
「いつも美味しいご飯をありがとう」
「この間の、桃のフライにはビックリしたけど」
れいが笑った。
次はれいの番。
れいの…。
「やだちょっと、どうして黙るのよー」
三人は声を上げて笑った。
これが、れいの良いところだから…。