アナログ三姉妹


「彼は料理も洗濯も得意だから」


悪びれることなく答える妹に、


「だからって、しなくていいってことにはならないでしょ?」


「ううん、しなくていいって」


「第一、できないでしょ?」


「…」


「れいちゃん、ご飯ほとんど作れないじゃない。洗濯だって脱ぎっぱなしだし、出したものは片付けないし、部屋はいつも埃っぽいし。それを掃除してる人がいるってこと、あまり考えたことないでしょ?」


一気に吐き出した。


途中で、


ダメだ。ここは姉として引かないと…。


そう頑張ったけれど、


姉ならちゃんと言わないと。


たとえ、可愛い妹が、目に涙を浮かべたとしても。


「それにれいちゃん、毎朝、遅刻よ。そんなんで、旦那様を送り出せるの?」


「彼は夜の仕事だもん」


「そうじゃないでしょ?今のままで本当に結婚ができるの?って聞いてるの」


「できるもん」


「結婚なんて、そんなに甘いもんじゃ…」


「ヤキモチでしょ?」


「え?」


「妹の私が先に結婚するのが嫌なだけじゃない‼」


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