【完結】君が教えてくれたコト






ここ何処だよ?



向日葵畑のど真ん中なんだけど、空は真っ白。


いくら歩いても向日葵畑を抜ける事が出来ない。


ベンチがあって腰を掛けると隣に懐かしい風を感じた。


隣を見ると俺のおばあちゃんが座っていた。



あれ?俺の体小さい子供になってる…



あぁ…これは小さい頃の記憶か…?


「ゆうちゃん、こんな所で何してるの?」

「何って…ここから帰りたいのに帰れないからさ。休憩ー」

「休憩してる暇なんてあるかしら?」

「うーん…でも、時間が経ってるのかどうかもわからないし」

「…大切な人を待たせてない?」

「え…?大切な人?だって今、子供の頃の事みたいだし…」


俺の体はいつの間にか現在の俺の体に戻っていた。


「時間は止まるわけない…ゆうちゃんがこうしてる間にも時はどんどん進んでいるのよ」


周りに咲いていた向日葵畑の向日葵がなくなっていく。


< 143 / 187 >

この作品をシェア

pagetop