【完結】君が教えてくれたコト
無事に推薦入試を終えて、帰宅する。
帰りの電車での事。
ホームで電車を待っていると。
「ねーねねねねぇ!すっごい美人だねぇ?思わず見とれちゃったよー!ちょっとどこかで話さない?」
「着いてこないで」
あれって…さっきの…。
「話がダメならケータイ教えてくれよー」
話し掛けてる男は彼女の肩を抱き寄せた。
「うっさい!触んな!ブ男が話し掛けてくるなよ!」
彼女はそう言うと男の股間を思い切り蹴飛ばした。
男は呆気なく引いていく。
す…すごい…
彼女は俺に気付くことなく、やってきた俺が乗る電車に乗った。
電車に乗り込むと、彼女はちょうど空いた席に座る。
次の駅でおばあさんが一人よろよろしながら乗り込んできた。
掴まる所が高い吊革しかなくて、困っているようだ。
「あの…ここの手すり掴まってください」
ちょうど手すりの前にいた俺はおばあさんに手すりの前を譲った。
「あら…ありがとうねぇ…掴まる所がなくて困っていたから助かるわぁ」
「いえ…」
あ…優しい笑顔…外に出てよかった。