【完結】君が教えてくれたコト


唇が離れると穂高は子犬みたいな目で私を見る。


「…なんでそんな目で見るの?」

「ごめん…ちょっと名残惜しくて」


穂高はそう言って目線を下に下ろした。


「これからずっと…いつでもたくさん出来るでしょ?」

「そうだよな。あー早く怪我治さないと!」


意気込む穂高から離れて、私は槇野から預かった紙袋を穂高に見せる。


「それとこれ槇野から預かったよ」

「弘貴から?…ア!うわー…それ、中身って見ちゃった?」

「ううん。見てないよ…穂高が意識戻るまで待ってた」

「そ、そっか…誕生日過ぎちゃったけど。誕生日おめでとう」

「ありがとう…開けてもいい?」

「うん」


槇野が中身を見えないように貼ったガムテープを剥がして紙袋を開けると向日葵の花を中心にした可愛い造花の花束の置物が出てきた。

可愛い…


「あ!あー…それからかよ」


穂高はそう言うと左手で顔を隠した。

今、顔赤くした?


「え?どうしたの?」

「いや!なんでもない!深く考えないで!」

「深く?」


向日葵といえば、穂高と仲良くなったキャンプの時に二人で向日葵畑見たっけ。一緒に花言葉調べて…


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